身近な蜜源植物について
街路樹や公園の植栽、ガーデニングでおなじみの花、いたるところで目にする雑草などなど、
蜜源植物は意外と身近なところで咲いています。
サシグサ( センダングサ )
ウチナーグチでサシグサと呼ばれるセンダングサ。蜜の糖度が非常に高く(57.5%)、ミツバチから見れば効率よく蜜を集められる蜜源植物です。首里王朝蜂蜜の主要蜜源は、このサシグサ。種が服にくっつくのは鬱陶しいですが、「ヤナクサやー(嫌な雑草だね)」と言わず、ミツバチのために除草剤などを使わないようお願いします。最近、宮古島ではタチアワユキセンダングサの効能に着目した健康食品なども商品化されています。
サンニン( 月桃 )
沖縄には旧暦12月8日にサンニンの葉で包んで蒸したムーチー(餅)を食べて無病息災を願う習慣があります。サンニンの花が咲くと、はちみつも香りが強くなります。
ライチ
冬場の蜜源の一つで、ライチ蜜は口当たりの良さが特長。花蜜の糖度は30.3%。果樹としてよく知られていますが、庭園樹としてもよく植えられています。
サガリバナ( サワフジ )
6月~8月にかけて、夜になると甘い香りを漂わせて花を咲かせるサガリバナ。首里では崎山馬場(瑞泉)通りのサガリバナ並木が有名です。夜明け前のひとときにはミツバチも訪れるので、早朝散歩がてら探してみるのも楽しいでしょう。
ピンクボール( ドンベア )
高さ2~3m程度の常緑樹低木。釣鐘形をした花がいくつもくっついて半球状になります。花蜜の糖度は23%で、ミツバチは冬場の蜜源として訪れます。
チーチーパーパー( ツワブキ )
冬場の貴重な蜜源植物の代表格。丈夫で日当たりの良くない場所でもよく育ちます。
サルビア( ヒゴロモソウ )
鑑賞用として花壇に植えられることも多い多年草。花蜜の糖度は22~23%。非常に美味なので、子どもの頃に花を採って蜜を吸った経験のある人も多いのでは?
クロヨナ
花は紫色ですが花粉が赤いため、クロヨナが咲く季節になるとはちみつも赤い色味になります。糖度は20.1%で、ミツバチが好んで訪れる木です。首里では首里城公園にも植えられています。
カンヒザクラ
沖縄を代表する花木の一つ。花蜜の糖度は12~15%と低めですが蜜量が多いのが特長。花が下向きに咲くので雨が降っても蜜や花粉が流出せず、ミツバチは雨上がりでも訪花します。
シマシャリンバイ
樹皮が芭蕉布や大島紬の染料として使われてきたシャリンバイ。現在は街路樹や庭木として植栽されることが多くなっています。花蜜の糖度は10.6%で、ミツバチは補助的な蜜源として訪れるようです。
ナスタチウム( ノウゼンハレン、キンレンカ )
ガーデニングでおなじみの花。最近はエディブルフラワー(食べられる花)としてサラダなどに使われることも増えています。花蜜の糖度は44%と高いので、ミツバチにもうれしい花です。