1427年から、
首里は花の都でした。

現存する琉球最古の金石文(きんせきぶん)、
安国山樹華木之記碑(あんこくざんじゅかぼくのきひ)によると、
宣徳※2(1427)年、尚巴志(しょうはし)王の時代に
人工池の龍潭(りゅうたん)を掘り、
その土を盛って山を築き、
マツ、カエデ、カシなどと、
諸国の珍しい花を植えて
人々の憩いの場として整備したと
記録されています。

19世紀後半、首里を訪れたペリー提督は、
首里より清潔なまちを見たことがないと語り、
英艦レナード号で来琉したスミスは、
中山門から守礼門にかけての綾門大道(あいじょううふみち)について
美しい灌木や花園が道路の両側を飾ると書いています。
その美しいまちなみは
戦禍で失われてしまいましたが、
戦後も首里の人々は庭先に木を植え、
花を咲かせて、緑ゆたかな王都の姿を取り戻そうとしてきました。

1992年、御百浦添御殿(うむんだすぃーうどぅん)(首里城正殿)が
復元・公開され、首里城公園は
沖縄きっての観光地になりました。
世界中から人々が訪れるようになった今、
もう一度、花咲く王都のすがたについて
考えてみませんか。

※宣徳は中国・明代の元号です。

首里城龍潭ごしに首里城をのぞむ

みんなで首里を、もっと花いっぱいの
まちにしませんか。

そのまちに、緑と花がどれだけ豊かかという一つの指標となる生き物が、ミツバチです。
実は今、全国的に都市地域での養蜂がさかんになってきています。

ミツバチが教えてくれること。

ミツバチは環境指標生物( 詳しくは「ミツバチの生態」ページへ )とも言われ、農薬などに汚染されていない、清らかな環境でしか生きていけません。つまり、ミツバチが元気に活動できるまちは、それだけ緑が豊かでクリーンな環境だということ。また、ミツバチが受粉に一役かった樹木には、実を食べようと鳥など他の生き物が集まって来ます。ミツバチを介して、大人も子どもも自然と共生する環境学習ができるのです。

石畳 花畑 首里金城の石畳道蜜源になる花を植えましょう

はじまりは、東京銀座

大都会・東京銀座で養蜂と聞くと驚く人も多いかもしれません。都市部が養蜂に適しているのは、公園や街路樹、庭先の花々など蜜源となる植物が意外に多いことと、農薬を使う畑がないため、実はミツバチにとって安心な環境であることが大きな理由です。銀座では2006年にビルの屋上で養蜂を行う「銀座ミツバチプロジェクト」がスタート。以降、仙台、名古屋、大阪梅田、福岡天神など全国各地の都市部で、まちづくり型の養蜂が行われています。

大都会・東京銀座大都会・東京銀座

ミツバチでまちづくり。

まちなかで元気に飛び回ったミツバチは、おいしいはちみつを作ってくれます。ご近所で採れた安心安全なはちみつで、地域のお店がオリジナル商品を開発することも可能。実際に全国各地で、ミツバチでコミュニティを盛り上げる試みが行われています。首里を花いっぱいにすることは、私たち自身が自然と共生するまちをつくっていくことと深くリンクしているのです。

ミツバチ 足に花粉をいっぱいためた働きバチせっせと蜜を集める働きバチ

首里ミツバチ・花いっぱいプロジェクトでは、
こんなことをしています。

首里を今よりもっと花でいっぱいのまちにしたい。
ミツバチを通して、みんなで「自然との共生」について考えたい。
首里生まれのはちみつで、首里を盛り上げたい。
そのために、このプロジェクトではこんな活動をしています。
参加ご希望の方は、首里まちづくり研究会( TEL: 098-963-9294 )までお問い合せください。

花の都首里ミツバチさんぽ

花咲く琉球の都・首里をミツバチの視線で歩く、まちあるきプログラムを開発。一般的な観光コースとは少し内容が異なり、首里の花と緑、ミツバチの生態、そして歴史・文化の話を交えながらのオリジナルコースとなっています。

花の都首里ミツバチさんぽ花の都首里ミツバチさんぽ

採蜜体験プログラム

実際にミツバチの巣箱を見学して、はちみつを絞る工程を体験する採蜜体験会を開催しています。2015年10月から12月にかけては、小学生や首里地域の飲食店事業者を対象に計5回開催しました。プログラムとしては、まずミツバチの生態などについてレクチャーを行い、巣箱とミツバチを観察、その後、巣からはちみつを絞って試食を行います。プロの養蜂家が安全面に配慮して開催しており、お子さんは年齢に合わた内容で学習できるよう構成してます。

採蜜体験プログラム採蜜体験プログラム

うてぃざにガーデニングとシードボール

シードボールとは粘土質の土だんごの中に、蜜源植物の種を仕込んで丸めたもの。本プロジェクトでは蜜源植物について学び、実際にシードボールを作る体験プログラムを実施しています。また、シードボールを空き地や緑地帯などにまく「うてぃざにガーデニング」も実施。「うてぃざに」とは落とし種の意味で、鳥がフンと一緒に時おり落としていく草花の種と同じように、私有地ではない場所に蜜源植物の種を落として花を咲かせようという活動です。

うてぃざにガーデニングとシードボールうてぃざにガーデニングとシードボール

ミツロウキャンドルづくり

働きバチが分泌するワックス成分でできたミツロウ(蜜蝋)。六角形のハチの巣は、このミツロウでできています。食べても無害で、床や家具などのワックス、クレヨン、ハンドクリームなどの原料として使われます。当プロジェクトでは、首里生まれのミツロウを使ってキャンドルを作るプログラムも実施。2015年12月に首里バプテスト教会へミツロウキャンドルを奉納し、クリスマス礼拝で使われました。

ミツロウキャンドルづくりミツロウキャンドルづくり

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